飯田市橋南地区の「市長と語るまちづくり懇談会」が15日夜、市役所で開かれ、「飯田市の中心市街地としての橋南」をテーマに佐藤健市長と幅広く意見交換した。「新文化会館」を含めたJR飯田駅周辺の施設整備、避難場所と空き家対策、りんご並木を生かしたにぎわい創出に対する考えを尋ねた橋南に対し、佐藤市長は「これから話し合うテーマが示された」として、協議の継続に意欲を示した。
佐藤市長が丘の上を新文化会館の有力な候補地としながらも、駐車場の確保などについて十分な検討が必要としている件について、参加者は「自動運転の実用化などで10年たつと交通体系が変わり、駐車場がいらなくなるという視点もある」と述べ、考えを聞いた。
佐藤市長は質問内容に理解を示した上で「その意味でできるだけいろんな選択肢を頭に描く必要がある」としたほか、リニア長野県駅とJR飯田駅を結ぶ新交通システムの検討も重要だとした。
1階商業エリアにツルハドラッグの出店が決まった「飯田駅前プラザ」(仮称)の活用については「かつて駅周辺にあった書店やスーパーのように、高校生が放課後に立ち寄る場所をイメージしている。まずは人寄りのする場ができる。商業へのつなげ方を一緒に考えたい」とした。
扇町公園(四季の広場)で始めた「いいだ丘のうえ朝市」と飯田動物園、りんご並木周辺の文化施設を回遊する仕組みづくりについては、前段で「歩けるりんご並木」を提案した上で「個性的な店の存在など、動物園や飯田駅前プラザから足を延ばしたくなるための工夫が一番大きなポイント」と指摘した。
「中心市街地をマイナスのインフラとせず、前向きに使って」という意見には「文化的蓄積、飲食店の集積といったこれまでの民間投資は、今後のまちをどうつくるか考える上で重要」と応じ、橋南第三地区市街地再開発計画に対しては「改めてじっくり話をしたい」とした。
避難場所に指定されている追手町小学校の老朽化に対する不安や、避難場所の分散化を求める声には「避難場所を考えるタイミングだと思う。早急に日程を調整する」と述べた。
◎写真説明:中心市街地の役割について活発に議論した