高森町は7日、来年度一般会計当初予算編成で町長査定の一部を町民に公開した。500以上の事業のうち、新規事業や町民の関心が高い8つの事業を選んで担当課が説明。町長とともに参加した住民が、各事業へ意見を述べた。
壬生照玄町長の公約の一つとして始まり3年目。予算査定や事業評価に、議会だけでなく町民が直接意見できる機会を設けることで、今後のまちづくりにつなげようと狙う。
冒頭あいさつで壬生町長は、公開査定の趣旨を「2030年に目指す町の将来像へ向けて、まちづくりプラン初年度の予算をどう位置付けるか。皆さんの意見を聞きながら適正に判断したい」と呼び掛けた。
査定を公開したのは▽コミュニティ組織育成支援金▽新築補助金▽議会研修費▽公共下水処理場の倍際対策▽コミュニティスクール運営▽中学校「小原ケ丘塾」▽カヌー大会▽福祉事業全般―の8事業。査定の様子を町ケーブルテレビやネットで生中継した。
このうち、町民税の1%を財源に町民の主体的な活動を支援する「コミュニティ組織育成支援金」は、制度拡充と改善を図る。各団体に活動費として交付する支援金の上限を10万円に倍増し、状況によって異なっていた構成員に支給する支援金の単価を1人2000円に統一した。
また、対象外だった区や自治会が活用できる「地区主体型」や、収益を得ながら活動できる「みんなで経営型」を新設。住民主体で地域課題の解決を後押しする。
町民からは「申請手続きが簡素で使いやすい制度にしてほしい」などの意見が寄せられた。予算案は来月初旬に公表。3月定例会の議会審査を経て4月から執行する。
初めて公開査定に参加した男性(71)は「普通なら立場のある人でないと町の事業に関われない。一般町民に意見を言う機会があるのは良いことだ」と話していた。
◎写真説明:町民に一般公開した予算査定