戦後73年・伝える記憶1 「市民の力で支えたい」 満蒙記念館ボラ木村さん

連載

[ 2018年 8月 17日 金曜日 17時37分 ]

木村さん(左)と満蒙開拓平和記念館

 1945(昭和20)年8月15日の終戦から73年が経過した。直接の体験者が高齢になるなどして、戦争の記憶が薄れつつある。今後は、直接の体験者以外が戦争体験の記憶を受け継ぎ、次世代に伝えていくことが課題となる。本連載では、5回にわたり飯田下伊那の取り組み事例や課題を紹介していく。

  *   *

 松川町の木村多喜子さん(48)は、満蒙開拓平和記念館のボランティアグループ「ピースラボ」の代表として、同館の運営を支えてきた。「市民で作った記念館。市民の力で支えていきたい」と取り組む。

 木村さんは、故・野中章さんの引き揚げ体験を1対1で聞く機会があり、衝撃を受けた。「全然知らなかった出来事。自分も何かしなければいけない」と感じた。その時は子育て中で具体的な活動にはつながらなかったものの、オープン1年前に語り部養成講座が開かれることを知り参加を決めた。

 開館後、予想以上の来館者と繁忙さで少ないスタッフが疲弊している姿を見た。「私たちも何かできることで支えたい」と思い立ち、講座受講者の仲間とボランティアグループを立ち上げた。

 ボランティアの活動は、ガイドやイベントのサポート、毎月のボランティア通信の発行など多岐にわたる。「やりたいことはたくさんあるけれど、まだまだ人手が足らなくて」と話す。

 「複雑な歴史や悲惨な体験を聞いて覚えるのは大変なこと」と木村さん。「何度も失敗しながら少しずつガイドができるようになってきた」と語る。加害と被害の側面、送り出した側と送り出された側など複雑に絡み合った歴史を学ぶにつれ「さまざまな立場の人がいて、その時その時の選択がある。これが正解というものはない」と考えるようになった。

 「ガイド以外にも草取りや掃除などできることはたくさんある。ただ通信を見てもらうだけでもいい。何か支えたいという気持ちを形にしてほしい」と参加を呼び掛けている。ボランティアガイド養成講座は毎年10月から開催しており、受講者から登録を募っている。

(つづく・全5回)

  

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