信州大学イノベーション研究・支援センターが地域資源ビジネス活用講座開く

社会

[ 2009年 11月 19日 木曜日 8時55分 ]

 信州大学イノベーション研究・支援センター主催の地域資源ビジネス活用講座は17日、飯田市上郷別府の地場産業センターで開かれた。「環境にやさしい暮らしと地域環境ビジネス」をテーマとした講演会、パネルディスカッション、または飯田市の住民アンケート調査結果を通じて、市民の環境意識の高さや影響を与えている施策を知り、その上で地域が支える環境ビジネスの可能性を探った。

 はじめに信大などが8―9月に実施した「飯田市における環境に配慮した暮らしに関する住民アンケート調査」の結果を踏まえ、プレック研究所持続可能環境社会・研究センターの白井信雄センター長が分析結果を報告。調査は20歳以上の市民を対象に郵送方式で1500部を発送。60%という高い回収率を得た。

 それによると「関心のある環境問題」の質問では地球温暖化がトップだったほか、オゾン層の破壊、廃棄物の発生抑制、世界的な森林の減少に高い関心が示された。また「環境に配慮した行動」では「ごみを地域のルールに従って分別して出す」「買い物袋の持参」「油や食べかすを排水口から流さない」の回答が多く、白井さんは「飯田市民で環境配慮に高い関心を示しているのは高齢者、男性、農業、専業主婦、無職で、会社員や若年層は関心が低い」と分析。「特に飯田市の場合はごみに係る行動の実態度が高い」と特徴も紹介した。

 飯田市内でこれまで実施してきた環境関連の取り組みで、自身の考え方や行動に影響を与えたものでは、太陽光市民共同発電(おひさま進歩エネルギー)がトップ。地域ぐるみ環境ISO・南信州いいむす21、飯田市民環境計画(いいだ環境プラン)と続いた。白井さんのさらに細かい分析結果によると「市民が属性に応じて異なる施策の影響を受けている。職業や年代別、それぞれなりに受け止めており、環境配慮への意識付けはうまくいっていると言える」とまとめた。

 また白井さんは「環境ビジネスのターゲットは30―50代になるのでは。エコや木造の地産地消住宅、バイオマス、ペレット燃料に着目したい」と述べ、さらに若年層、特に20代の関心が低い点について「若い人も太陽光発電には興味を示しており、今後の施策としては、太陽光発電を通じて若年層の環境への意識を高めていくことも有効」と助言した。

   *   *

 信州大学主催の地域資源ビジネス活用講座で、後半は信州大学イノベーション研究・支援センターの樋口一清センター長を司会に、4人のパネラーが環境ビジネスの可能性について意見交換するパネルディスカッションが開かれた。

 講座前半で紹介した調査結果から、市民の環境配慮に対する意識の高さについて、飯田市水道環境部の澤柳孝彦部長は「行政は旗揚げしただけ。市民の潜在的な歴史、意識の高さによるもの」と説明。おひさま進歩エネルギーの原亮弘社長は「おひさま進歩が30代、または女性の認知が高いという調査結果は、まさに狙ったところに効果が出てきている証拠。ターゲットに合ったものを提供していけば大きな効果を得られる」と述べた。

 プレック研究所持続可能環境社会・研究センターの白井信雄センター長は「調査結果から、20代は環境配慮行動をしていないにもかかわらず、太陽光発電設置意向は高い。特殊な傾向であり興味深いところ」と指摘。これに対し産学官連携コーディネーターの浅間紀一信大特認教授は「20代は情報を得られるが実際の設置には踏み切れない。30代は新築など具体的な行動も起こせる時期であり、調査結果にも起因しているのでは」と分析した。

 新たな地域環境ビジネスへの可能性では、白井さんがおさひま進歩に触れ「共同出資で多くの主体を巻き込んでいるところが素晴らしい。人と人とのつながりの中でビジネスも拡大していく」と強調。樋口さんが「それでもコミュニティー環境ビジネスはなかなかうまくいかないのが現状では」と指摘すると、原社長は「太陽光だけでは補助金があっても難しい。普及事業に加え、それを支える事業が大事」と工夫する重要性を訴えた。

 さらに浅間教授は「環境マーケットを作ろうという意志やターゲットの絞込みが大事」とし、樋口センター長も「これからは地域を豊かにしていく企業がコア企業になる。競う形で新しいビジネスに挑戦してもらいたい」と呼び掛けた。

  

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