新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、自粛を求められてきた都道府県をまたぐ移動が19日、全面解除され、飯田市内の高速バス乗り場でも東京に向かう人の姿が見られた。利用客数は徐々に回復している。
首都圏にある大学寮の閉鎖に伴い、4月上旬から市内の自宅で過ごしていた大学4年生はこの日の午前、新宿行きのバスに乗り、寮に戻った。
見送りにきた母親は「帰省時は消毒の徹底、家族とも2週間接触を絶ち、私たちも外出を最小限にするなど、細心の注意を払ってきた。息子はまだこちらにいたいようだが、外せない用事があるため戻ることになった」と話していた。
利用者の大幅減に伴い、高速バスの減便運行を続けている信南交通は、12日に飯田・名古屋線を4往復8便から6往復12便に、18日に飯田・長野線を3往復6便から4往復8便にそれぞれ増やした。
同社によると、移動自粛期間中の各路線は平均乗車人数が3人を切っていたが、このところ10人程度に回復してきているという。
今後のダイヤ再開の見込みについて、高速乗合課は「今日からしばらく様子を見る。コロナを取り巻く状況にもよるが、乗車実績が上向けば第2、第3の増便を考えていきたい」としている。
飯田などの県内と新宿、京都、大阪を結ぶ高速バスを運行しているトラビスジャパン(本社・箕輪町)は19日現在、各路線を運休している。同社は「時期は未定だが、近く再開させたい。移動の需要をみながら検討する」という。
◎写真説明:新宿行きの高速バス