東京電力の福島第一原発事故を受け、県は11日から、県内全77市町村の役場と小中学校1カ所における空間放射線量の測定を始めた。飯田下伊那14市町村は12日にかけて、計28カ所で測定。県によると、このうち11日の15カ所は「いずれも健康に影響のない値」だった。
空間放射線量の測定は長野、松本の両市は毎日行っているが、そのほかの市町村の状況も詳細に把握しようと、29日までに各広域圏ごと実施。役場は屋上と地上のそれぞれ高さ1メートル、小中学校では地表、地上50センチ、同1メートルの高さで、30秒ごと計5回測り、平均値を算出する。
11日の飯伊班は下伊那地方事務所環境課と飯田教育事務所南信教育事務所の職員計3人が8市町村を巡回。最初に訪れた松川町役場では、玄関前が毎時0・07マイクロシーベルト、庁舎屋上が0・06マイクロシーベルトで、いずれも健康に影響がないとされる値だった。
測定作業を見守った深津徹町長は「福島第一原発から直線で約350キロ離れているが、人体に差し障りがないという結果が出て一安心した。100キロの距離には中電の浜岡原発もあり、今後も住民生活の安全、安心にかかわる問題を注視していきたい」と話していた。
12日の飯伊の残る13カ所を含む県内の測定結果は調査の翌日までに県のホームページで公表される。