泰阜村小中学校で2日、日本サッカー協会が推進するJFAこころのプロジェクト「夢の教室」事業が開かれた。昨年に続く2回目の今年は、元プロサッカー選手の須藤大輔さん(40)を講師に迎え、体育館で生徒同士が協力し合いながら体を動かし、教室では須藤さんのサッカー人生を振り返りながら夢を語り合った。
同協会が夢の大切さを伝えようと2007年から全国各地で展開している事業。昨年度初めて同村教育委員会が申し込んだ。今年も午前中に同中の2年生15人、午後は同小5年生の児童23人を対象にゲームとトークの時間を設けた。
このうち中学生の「夢の教室」では、須藤さんと生徒たちがコミュニケーションを図りながらボールを使ったゲームを展開。須藤さんは協力し合うことの大切さやチャレンジすることの重要性を説きながら「仲間といるこの時間を忘れないで」と呼び掛けた。
後半は教室に移動して講義の時間。小学2年生からサッカーを始め、高校サッカー選手権への出場を目標に、プロ選手になることを夢見てサッカーに投じてきた自身の人生を振り返った。
病気や怪我もあり、挫折も多く経験したという須藤さんは「あきらめなければ絶対できる。苦難は乗り越えられる人に降りかかる。壁を打ち破って前へ進んで」と強調。「きついときは多くの人に相談し、意見をもらい、かみ砕いて自分で表現していくことが大事。好きなこと、楽しいことにどんどん挑戦してください」と呼び掛けた。
生徒の一人(13)は「運動はレクリエーションみたいな感覚だったけど、みんなで考えることの大切さを学べて達成感が大きかった。須藤さんのリーダーシップがすごかった」と貴重な体験を喜んだ。