花園につながる第101回全国高校ラグビー大会県予選決勝は3日、長野Uスタジアム(長野市)で行い、飯田が33―13で岡谷工を破り2年ぶり14度目の優勝を果たした。花園出場は10度目となる。チームは「まずは花園1勝」と新たな目標を掲げた。
13年連続で同じ顔合わせとなった決勝戦。青空の下、白と緑のジャージーの飯田と濃紺とブルーのジャージーの岡工が激突した。
飯田のキックオフで始まった試合は前半2分、岡工の反則を基点にし、ゴール前の密集から抜け出したロック矢嶋陽彦がトライを決めて先制した。
平均体重86.2キロと、相手を約4キロ上回るFW陣が軸となってトライを重ね、前半を21―10で折り返した。
後半は岡工の猛攻を許すも、伝統の粘り強い守備でペナルティゴールの3点のみに抑え、流れを渡さなかった。14分に22メートルラインから得意のモールで押し込んで突き放すと、20分には相手選手をジャンプでかわしたWTB近藤皓哉がこの日2本目のトライを決めて試合を決定付けた。
スタンドには選手の保護者や同校のOB、地元のラグビースクール「南信州ジュニア」の中学生らが駆け付けて声援を送り、ノーサイドの笛が鳴り響くと歓声が沸き起こった。
北沢綜太主将は「相手の力強い攻撃に苦しめられ、不安な時間もあったが勝ててよかった」と笑顔。「自分たちの武器である大きなFWや速いWTBを磨いて花園で戦いたい」と力を込めた。
就任1年目の小林克監督は「持ち味である伝統のディフェンスをやりきってくれた。今年から強化してきたモールでFWの選手たちが頑張ってくれた」と選手らをたたえた。花園に向けては「全国の強豪にどれだけディフェンスが通用するか。まずは1勝を目指したい」としつつも、「花園は特別な舞台。ラグビーを楽しみ、プレーする自分たちや応援してくれる人たちがワクワクするラグビーを見せたい」と話していた。
岡工は2年連続33度目の花園を狙ったものの、飯田に連覇を阻まれた。
全国大会は12月27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。
▽決勝 長野Uスタジアム
飯田33―13岡谷工
21(前半)10
12(後半)3
◎写真説明:得意のモールで押し込む飯田