国内最大規模の自転車ロードレースで、飯田下伊那地域で開く唯一の世界的スポーツ大会「ツアー・オブ・ジャパン2022」(TOJ)の信州飯田ステージが19日、飯田市下久堅の周回コースで開かれた。汗ばむような陽気の中、16チームが標高差150メートルの大会屈指の「山岳コース」を熱走。信州飯田をホームとする「チーム右京」のネイサン・アールが優勝した。
新型コロナの影響で飯田での開催は3年ぶり15回目。今回から名称を改め、同ステージがTOJの初戦となった。
下久堅地区のみを走るコースに変更。下久堅小学校前をスタートとゴール地点に、パレード走行を含む122・6キロのコースを走った。
午前10時にスタート。選手たちは下久堅一帯を巡る1周12・2キロを10周。柿野沢区民センター前の山岳ポイントまでは10%の勾配の坂を上り、弁天橋南のヘアピンカーブ「通称TOJコーナー」では下り坂から一気に減速し、慎重にカーブを曲がっていた。
今回のコースはゴール前の上り坂が特徴で、選手たちは最後の力を振りしぼり、歯を食いしばりながら駆け上がっていた。
新型コロナ対策を講じながら有観客で行い、沿道では子どもから高齢者まで多数が拍手や小旗で応援。下久堅小学校前ではスタートとゴール時に児童や住民が大勢集まり盛り上がった。飯田市鼎下山の女性は「初めて見たが迫力がある。こういう大きな大会があると地元が盛り上がる」と話していた。
今回から市民中心の実行委員会を組織。地域密着型の大会運営を行い、飯田コアカレッジ(同市松尾明)の生徒がボランティアとして参加した。2年の男子生徒(19)は「良い経験になった。必至に走る姿を見て熱くなり、自転車に興味を持った」と話した。
TOJは19日から22日までの4日間開き、選手たちは今後、富士山、相模原、東京の3ステージを転戦し、個人総合時間賞「グリーンジャージ」の獲得を目指す。
◎写真説明:下久堅小前を一斉にスタート