卓球女子元日本代表として活躍し、2019年3月に現役を引退した飯田市出身の井林茉里奈さん(28)=名古屋市在住=が、トップおとめピンポンズ名古屋からプロリーグ「Tリーグ」に参戦し、現役復帰した。井林さんは「1勝でも多くチームに貢献したい」と話している。
鼎名古熊出身。5歳のときに家族の勧めで卓球を始め、中学・高校は青森県の青森山田に進学した。淑徳大学(埼玉県)在学中の2013年全日本選手権で3位を獲得し、同年にパリで開かれた世界選手権へ出場。卒業後は日立化成(現昭和電工マテリアルズ)を経て十六銀行に所属し、実業団チームで活躍した。17年の全日本社会人選手権女子シングルスでの優勝実績を持つ。
19年3月に引退した後は、「卓球に携わる仕事がしたい」と、トップおとめピンポンズ名古屋の事務局として勤務していた。
復帰の打診は昨年の夏。新型コロナウイルス感染症の拡大で、所属する外国人メンバーの来日が困難になる状況を想定してのことだった。井林さんは「ブランクが心配だがなかなか無いチャンス。新しい道を切り開きたい」と、復帰を決断。事務局業務と両立する形で9月に練習を再開し、開幕までにコンディションを整えた。
リーグはコロナの影響で開幕が遅れたものの、11月にスタート。シーズン中は他3チームと7試合ずつ、計21試合を行う。現在、チームの戦歴は1勝と苦戦しているが、井林さんは「プロの世界の緊張感を味わえて、楽しくプレーできている」と話す。
週6日、3~4時間の練習に取り組む井林さんは、事務局との両立について「大変といえば大変だが、仕事と卓球でオンオフが切り替えられるので充実している」とし「選手としては少しでも多く勝ちをつかみとりたい。事務局としては情報発信でTリーグのファンを増やし、卓球、スポーツの楽しさを多くの人に知ってもらいたい」と今後の展望を語った。
◎写真説明:トップおとめピンポンズ名古屋のメンバーとして活躍する井林さん