女子プロボクシングのバンダム級で、飯田市出身の小平菜摘選手(28)=リングネーム・縞馬(しまうま)菜摘、東京都杉並区、鼎中―飯田高出=が躍進を続ける。2017(平成29)年12月にデビューし、戦績は2勝1敗。あと2、3勝すれば日本チャンピオンとの挑戦権が得られるといい、「チャンピオンを目指す」と闘志をたぎらせている。
小平選手は「気付いたらボクサーになっていました」と淡々と振り返る。
「どうしてもバンドがやりたくて」。高校卒業後に上京し、映画製作の専門学校に通いながら音楽活動を続けた。もともと運動嫌い。30分の音楽ライブをこなすには体力が必要と考え、都内にあるボクシングジム「輪島功一スポーツジム」に通い出した。
当初はフィットネス感覚だったが、徐々にボクシングに興味を抱くようになった。「プロのリングに上がった時の景色を見たくなった」といい、17年5月に臨んだプロテストを合格。後楽園ホールで行われた同年12月の初戦をTKO勝ちで飾った。昨年5月の2戦目は敗れたものの、先月は判定勝ちした。
先月30日は帰省に合わせて飯田ボクシングジム(飯田市東栄町)を訪れ、元プロボクサーでジム代表の滝沢昌樹さん(48)から成長するためのアドバイスを受けた。効果的なパンチの出し方などを教わり、話題が減量に及ぶと「毎回大変です」と苦笑い。滝沢さんが今後の活躍に期待すると、うれしそうに応じていた。
シマウマが好きで、リングネームに付けた。「相手が自分のことだけを考えてぶつかってくる。互いの100%の力が一つになる瞬間に、日常生活にない興奮を感じる」と魅力を語る28歳。今春にも次戦が組まれる予定で、目標とする国内王座獲得も見据える。
◎写真説明:滝沢さんのアドバイスを受ける小平選手(左)