第99回全国高校ラグビー大会は27日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で1回戦の8試合を行った。2年ぶり9度目の出場の飯田は初出場の大分東明と対戦。0―35で敗れ、91、97回大会に続く初戦突破はならなかった。
フィジー出身選手2人を中心とした突破力と平均体重で10キロ上回るフォワード陣を武器にする大分東明。対する飯田は1年時に花園を経験した選手が残り、今シーズンは県内公式戦無敗。「例年になく力がある選手がそろっている」(湯沢一道監督)とするバックス陣を中心に攻略を狙ったが、圧倒的なフィジカルの前に屈した。
試合開始直後の前半2分、相手のミスからボールを奪うと、CTB黒澤稔生選手(3年)、WTB塚平康生選手(2年)とつないでゴールラインを割った。トライは認められなかったものの、初出場の緊張からか浮き足立った相手の隙をつき、流れを引き寄せたかに見えた。
しかし前半16分、193センチ体重112キロの留学生ナンバー8、セコナイヤ・ブル選手に初トライを決められて先制を許す。その後も相手の勢いを止めることはできず、計3トライを奪われた。
後半は飯田の強みである素早い展開プレーを幾度も披露。粘り強い守備も見せて何度か好機をつくったが、要のCTB横前耕太郎選手(3年)らがもう一人の留学生、CTBジョアペ・ナホ選手の徹底マークに合い、トライを決めることはできなかった。
「留学生2人を止めてやっと勝負になる」と見ていた湯沢監督(57)は、「留学生2人にBK陣がことごとくボールを取られて苦しくなってしまった」と振り返り、「これだけBKがボールを奪われたのは初めて」と肩を落とした。
会場には、在校生やOB、保護者ら700人以上がバス12台で駆けつけた。試合中は応援席から「いけ!飯田」「がんばれ飯田」などと熱い声援を飛ばし、選手らをもり立てた。ノーサイドの笛が鳴った後は拍手を送り、飯田高校の校歌を合唱して一生懸命に戦った選手たちをたたえた。
湯沢一道監督
3年生は成績が良い子が多く、勉強との両立をよくやってくれた。これだけのメンツがそろった学年はない。ボールを動かすラグビーができて私も幸せだった。
井原啓太主将
(後輩たちへ)体をしっかりと作り、フィジカルで相手に負けないようになってほしい。進学して競技を続けるかは分からないが、ラグビーが好きなので県のラグビー界に何らかの形で貢献していければ。
◎写真説明:フィジカルで勝る相手にも果敢に攻める飯田